ジュリアード音楽院を卒業してから毎年の定例とさせて頂いております自主リサイタルを、
おかげさまで今年も開催させて頂く運びとなりました。
今回のプログラムのテーマは「感謝」です。
15歳で渡米する道を作ってくれた恩師、
送り出してくれた家族、万全の体制で迎え入れて下さったアメリカの先生、
そして今、演奏を聴いて下さる沢山の皆様へーーー
選曲のために思いを巡らすうちに、
音楽の父と呼ばれるバッハに行き着きました。
バッハがまさに神に感謝する意を込めて書いたカンタータのピアノ編曲があることを知りました。
カンタータは本来、ピアノのための楽曲ではありません。
教会の楽団ーヴァイオリン、オルガン、コンティニュオ、フルート、トランペットなど実に様々な編成のオーケストラのために作曲されました。
それがピアノ用の編曲では、全ての楽器の表現がたった一台のピアノにかかっています。
新たな角度からピアニズムと向かい合う機会となりました。
また、現在私が夢中になっているブラームスの後期のピアノ作品、
改めてゼロから挑む気持ちで取り組んでいるショパンのバラードなど、
演奏させて頂く予定です。
オーケストラとなり、人の声となり、物語りの語り手となり、大きな音楽そのものとなるピアノの音色を、
伝えきれない「感謝」の気持ちを込めて演奏させて頂きます。
ピアノという楽器が、包み込むような大きな包容力のある楽器であること、
その魅力をお楽しみ頂ける会になれば良いなと願います。
ぜひお誘い合わせの上、ご来聴いただきたくご案内申し上げます。
会場で皆様にお会いできますことを、心から楽しみにしております。
福原彰美