暮れのご挨拶

今年も残す所あとわずかですが、皆様いかがお過ごしですか。

私は1月6日に予定しているリサイタルの準備をサンフランシスコで続けています。

2012年は私にとって大きな節目の年でした。昨年秋からニューヨークに加え、サンフランシスコにも拠点を増やしたことが、音楽をじっくり見つめ直す良いきっかけになりました。また今年は自分のこれまでのアメリカ生活を振り返ることのできた年でもありました。

この夏、カリフォルニア大学バークレー校に短期留学に来ていた、東日本大震災を経験した東北の300人の高校生と”アメリカに住む日本人”としてお話しする機会を頂きました。進路の岐路に立ち目を輝かせている高校生たちから素晴らしいエネルギーをもらい、多くを学びました。また、自分の経験を振り返り、15歳で渡米を決心した事が人生の中で本当に大きな出来事だったとつくづく感じました。

渡米した当初しばらくは言語の壁やカルチャーショックに悩んだことも多かったのですが、今となってはその経験が自分の力になったと思います。なかなか得られないチャンスに恵まれ、周りの方や学校の先生や家族からたくさんの応援を頂いたことに本当に感謝しています。

今年、このような素晴らしいご縁に導かれ、進路の岐路に立つ若い人に何かを感じてもらえるような演奏を目指せたらどんなに良いだろうと考えるようになりました。

来年1月6日のすみだトリフォニーホールでのコンサートでは、何名かの若い学生さんをご招待させて頂き、演奏を聴いて頂くことになりました。

たくさんの方々にお世話になりながら、毎回のコンサートを開かせて頂いています。忙しい日々のスケジュールの中いつも演奏会にお越し頂く皆様に心から感謝しています。1月6日会場でお会いできますことを楽しみにしております。

本年も大変お世話になり、ありがとうございました。

どうぞ良いお年をお迎え下さい。

福原彰美